読書の夏 ~たまには世間を離れてみませんか?~
「僕は三十七歳で、そのときボーイング747のシートに座っていた。
その巨大な飛行機はぶ厚い雨雲をくぐり抜けて降下し、ハンブルク
空港に着陸しようとしているところだった。
十一月の冷ややかな雨が大地を暗く染め、雨合羽を着た整備工たちや、
のっぺりとした空港ビルの上に立った旗や、BMWの広告板やそんな
何もかもをフランドル派の陰うつな絵の背景のように見せていた。
やれやれ、またドイツか、と僕は思った。」
こんにちは。グロービス大阪校の岩越です。
上記の一節は、改めてお伝えするまでもなく
村上春樹『ノルウェイの森』(講談社文庫,1991,p7)の冒頭部分です。
(そのうち、「国境の長いトンネルを抜けると・・・」「朝、食堂でスウプを
一さじ、すっと吸ってお母さまが・・・」といったおなじみの名作と並んで、
高校受験の試験問題に出てくるかもしれませんね。)
さて、その『ノルウェイの森』といえば、ベトナム系フランス人監督である
トラン・アン・ユンさんの手で映画化され、この冬公開されますが、先日
そのロケ地である兵庫県の峰山高原まで家族で足を伸ばしてきました。
宿泊したのは「峰山高原ホテル・リラクシア」。
高速道路を下りてから、山道を20分少し登ったところにあります。
自然の景色を楽しむ以外本当に何もない、空気が澄んだとてつもなく静かな
場所です。夏休みの土日にも関わらず、観光客はホテルの宿泊者とハイキ
ング客ぐらいのもので、ホテルの中庭を散歩している鹿の数のほうが多い
ぐらいでした。ホテルのスタッフも感じの良い方ばかりで、過剰なサービス
のない気持ちの良い接客でした。ちなみに、私たち夫婦の携帯電話
(softbank&au)は圏外で、インターネットも使えませんでした。
世間様としばし遮断されたお陰で、久しぶりに自分や家族とゆっくり向き
合える時間を過ごすことができました。
初日は3歳の息子(春樹)と虫取り網を片手にトンボを追い回したり、
かけっこをしたり。その後、一緒にお風呂につかり、家族3人でお昼寝。
夕食後は花火を楽しみながら、地面に寝っ転がって満天の星空を
眺めました。2日目は朝食の後、≪ノルウェイの森≫と名付けられた
映画のロケ地の林道をぶらぶら散歩して、ホテルを後にしました。
これといった目的もなく行ったのですが、「こうした場所は少し足を伸ばせば
いつでも行けるのだ」というちょっとした安心感を得られたことにとても満足
して帰って来ました。
この冬、映画を観たらきっとまた行きたくなるだろうな・・・。
日常を離れて、自分好みの時間感覚でゆったりと過ごしたい方。
家族とゆっくり過ごす時間が欲しい方。
たまにはビジネス書を離れて、好きな小説を誰にも邪魔されず思う存分
読んでみたい方。
ぜひ峰山高原に足を運んでみてください。
ちなみに、ホテルでは『ノルウェイの森』(上・下)を貸し出してくれますので、
ハルキワールドにどっぷりつかりたい方や、学生時代に思いを馳せたい方も、
ぜひどうぞ。
そういえば、≪ノルウェイの森≫を散策している時に、
“ねじまき鳥”がギイイイと世界のねじを巻いている音を聞きましたよ。
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