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2010年9月30日 (木)

プレゼンテーションの名手に学ぶ!
 ~落語家の「用意」と「卒意」~

こんにちは、グロービスの本田です。

以前、ジャズをテーマにブログを書きました。
今回も私の10年来の趣味のひとつであります「落語」について
書きたいと思います。

(自己紹介する際には、「趣味は、ジャズと珈琲と落語」と言ったり
 書いたりするので「年配」だと思われがちなのですが、20代です/笑)
 

ここ数年、落語ブームと言われ、盛んに落語会も開催されていて、
関東ではそれなりに定着してきた感はあります。
関西では天満の繁昌亭の他は定席(毎日開催の寄席)はなく
「寄席通い」の文化は未発達ですね。

まだまだ落語には「年配の方のもの」というイメージがあります。
ジャズにも同じことを感じますが、かつては老いも若きも楽しみ、
生活に根付いた「大衆芸能」ですので、多くの方に寄席や落語会で
生の落語を聴いていただきたいと、個人的にいつも思っています。

実は、ビジネスパーソンの皆さんにとっても、
落語を聴くメリットはいくつかあります。

たとえば「プレゼンテーション(用意と卒意)」を学ぶ
そして、  経営に欠かせない「人間」を深く知る
加えて、  単純に「笑う」ことの大切さを知る

などがあるのですが、今日はそのなかでもビジネスパーソンに
とって身近な「プレゼンテーション」を取り上げてみます。

落語に学ぶ「プレゼンテーション」

落語家は高座の座布団に座ったまま、手には扇子と手拭いだけで
すべての世界を作ります。
演劇や歌舞伎などと違って、特設のセットもなく、専用の小道具もなく、
聴き手のそれぞれの頭の中に、描きたい世界を描いていきます

つまり、落語は聴き手のイマジネーションに頼った芸術と言えます。

それだけに言葉の選び方や伝え方に苦心します。
たとえば江戸が舞台の噺であれば、そのまま喋っても通じないものがあります。

そのため、噺に入る前に「まくら」でそれとなく説明したり、
現代でも通じるように言葉を補ったりと、その噺の“世界”を聴き手自身が
膨らませられるように工夫する
ことが必要です。
(ここで説明しすぎると噺の雰囲気が壊れてしまうので難しいところです。)
 
落語家は、聴き手の興味をそそり、“笑い”につながるように、
「セリフ」や「間」、「(声の)トーン」を実にうまく使い分けていきます。
逆に言うと、これが命なのです。
これに何十年も心血を注ぐのです。

だからこそ、誰もがストーリーを知っている「時うどん」でも、
熟達した落語家が演じると何度聞いても笑いが起こるのです。
新人の落語家がどんなに面白い演目を演じたとしても、その差は歴然です。

熟達の落語家は、まさにプレゼンテーションの名手。
この名手のプレゼンをビジネスパーソンとして聴かない手はないですね(笑)

「用意」と「卒意」

落語家が高座に上がるときに大事にすることがあります。
「用意」「卒意」というものですが、ご存知でしょうか?

茶の湯の「おもてなし」の精神をあらわす言葉なのですが、
「用意」は、お客さまを迎える主催者が事前に行う準備。
「卒意」は、主客一体となって、場をつくりあげること。

この「用意」と「卒意」が落語では極めて重要なのです。

寄席以外の落語会などでは予め演目を開示している場合もありますが、
寄席では通常、どの噺を喋るかは高座で決めます。

なぜなら、寄席の高座に上がって、客層や「まくら」で話す話題の
反応などを見て、その日その時のお客の年齢層や興味、落語の知識レベルに
合った噺を選ぶためです。

客席を見渡す為に、コンサートや芝居などと違って、
寄席や落語会の客席は明るくなっています。
それほどまでに落語家は「用意」と「卒意」を常に意識しています。

この「用意」と「卒意」は我々ビジネスパーソンが
プレゼンテーションを行う際にも極めて参考になりますね。

プレゼンテーションにおける「用意」とは、
 -中身の作り込みをしっかり行い、確認をしておく。
 -プレゼンする相手がどんな人で、どんなプレゼンが求められるか
  イメージし、反論に備えたり、詳細を求められたりした場合に
  対応できるよう準備をしておく、
など。

「卒意」とは
 -専門用語を並べ立てたりせず、聴き手のレベルや聴きやすさを意識する。
 -早口にならないようにし、随所に理解しやすいような“間”を作る
、など。

「用意」は多くの方が充分意識されていることと思いますが、
「卒意」は意識からモレがちです。「卒意」も重要であると分かれば
聴き手を意識したプレゼンテーションになっていきます。

熟達した落語家が「お客さんがノセてくれる」とよく言いますが、
これは「卒意」の究極のテクニックですね。

ビジネスの上でも、「聴き手にノセてもらう」ということまで
会得できれば、プレゼンテーションは恐くなくなりますね(笑)

ぜひ皆さんも、機会がありましたら、騙されたと思って
落語会や寄席に行ってみてください。
ただし「面白くなかった!」ということがあっても、
チケット代金はお返しできませんので悪しからず(笑)

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